環境対応製品
当社は、印刷工程内の省エネルギー化や印刷環境の改善、再生可能資源の活用による持続可能社会への貢献、化学物質リスクの低減などインキメーカーとしての観点から環境対応製品開発を拡大しています。
UVインキ／省電力UVインキ（省エネルギー）
油性インキを使用する印刷工程は、乾燥に多くの時間を必要とします。当社は、印刷工程の生産効率向上と多様化対応に向けて、紫外線照射によって瞬時に硬化・乾燥する「UV（Ultra Violet）インキ」を1977年、時代を先取りして自社開発に成功しました。さらに2008年には、専用のLED-UV照射装置で硬化・乾燥する「省電力UVインキ」を開発し、印刷時の省エネルギー化に貢献しています。
「UV CORE」シリーズは各社LED-UVや省電力照射装置に対して優れた硬化性を有するインキです。紙用に加え各種ラベル・フィルムに対応したラインナップも取り揃え、あらゆる場面で省エネ化に取り組めるよう対応しています。
当社は印刷適性の高い「UVインキ」の提供に向けて、40年以上にわたり、乾燥だけでなく使いやすさと仕上がり感のバランスをとる技術の向上に注力してきました。このような取り組みが、競争優位性の向上やビジネスチャンスの拡大につながり、当社はUVインキ市場において国内No.1のシェアを誇っています。
バイオマスインキ
石油などの化石資源に依存した社会システムは化石資源の枯渇、地球温暖化、廃棄物の増大、有害物質の排出等様々な環境問題を深刻化させています※。T&K TOKAではそのような石油由来の化石資源を再生可能な植物由来原料に置き換えた「バイオマスインキ」の開発に注力しています。バイオマスインキは、原料（バイオマス）となる植物がその生育過程でCO2を吸収するため、それを使用した印刷物の廃棄時の燃焼におけるCO2排出量から吸収量を差し引いて、総じてCO2排出量を削減出来るカーボンニュートラルの理念に則っております。現在、バイオマスインキ市場は拡大の一途を辿っており、版式・用途に合わせ各種ラインナップの整備と性能強化に軸足を置いて研究開発に取り組んでいます。
- ※(一社)日本有機資源協会、バイオマスマーク事業実施要領より抜粋
バイオマスとは
バイオマスとは生物資源（bio）の量（mass）を表す概念で、再生可能な天然物由来の資源（石油や石炭などの化石資源を除いたもの）を指し、工業製品やエネルギーに利用できます。我々の生活は石油などの限りある化石資源に依存し、CO2排出量が増加しています。その発生原因は化石燃料の燃焼によるものがほとんどだからです。それに対し、天然由来の資源は再生可能であり、特に植物においては生育過程にてCO2を吸収する働きもあるため、CO2抑制に効果的です。このようなバイオマスを化石資源に替わって活用することは、地球規模で拡大する温暖化現象への対策となり、循環型社会への貢献に繋がります。
バイオマスインキとは
バイオマスインキとは再生可能な天然由来成分（バイオマス）のうち主に植物由来成分を原料の一部として採用・製造したインキです。製品の乾燥重量比に占めるバイオマス原料の割合を「バイオマス度」として表しています。
バイオマスマークとは
一般社団法人日本有機資源協会（JORA）が認定するマークで、バイオマスを利用して製造された商品に付与されるものです。このマークを付与することで、その商品のバイオマス利用を消費者に情報提供し、それらの商品を普及させることによりバイオマスの利用を促進し、持続可能な社会構築に貢献する事を目的としています。
▼当社バイオマスインキラインナップ
低マイグレーション対応 紫外線硬化型インキ（SAFFIR）
2018年6月13日に改正された食品衛生法では、安全な食品容器具・容器包装を使用するように基準を定めています。この新しい食品衛生法では、より厳しい「ポジティブリスト制度」（以下PL制度）を導入しています。PL制度とは、原則すべての物質を禁止し、その中から安全性が担保されたものだけを食品用器具・食品包装に使用できるという規制です。これにより、安全性が確立されていない物質を完全に排除でき、食の安全のレベルを高めることを目的としています。また、近年では食品包装分野において、UVインキ成分の食品用紙器・容器等への浸透・移行が与える影響についても注目されつつあります。UVインキは食品包装分野において、多岐に渡り使用実例があります。
T&K TOKAでは、より安全性に配慮したスイス条例（パートA）にリストアップされる光重合開始剤のみを使用した「SAFFIR」シリーズを上市いたしました。同シリーズは乳容器・機器協会が定める溶出試験の自主基準にも適応し、更に厳格なネスレガイダンスに対応するグレードも用意しております。
液状炭素繊維分散樹脂（自動車部品などの軽量化）
炭素繊維は軽量で丈夫な素材であり、エネルギー利用効率の向上に貢献することから、飛行機の機体や自動車のボディなどへの使用が拡大しています。当社は、印刷用インキおよび合成樹脂製品開発で培ってきた分散の技術と樹脂の知見を応用して、世界初の液状炭素繊維分散樹脂「Tenacis（テナシス）」を開発しました。液状の炭素繊維Tenacisを硬化させることで、従来の炭素繊維では困難であった複雑形状の成型品をつくることができます。現在、自動車やロボットなどの幅広い分野で、用途開発を進めています。
