環境負荷削減への取り組み

省エネルギー推進およびCO2排出量削減

当社は、気候変動問題を喫緊の課題であると認識し、温室効果ガス排出量(以降CO2)の削減に取り組んでいます。自社での排出のほとんどはエネルギーを使用したことによるもののため、省エネルギー活動にも力を入れており、従業員を対象とした勉強会の実施や、製造工程での運用改善、ユーティリティ設備更新での高効率化や廃熱の回収利用など様々な取り組みによってエネルギー使用量の削減を進めています。

▲国内6拠点の屋上に太陽光発電設備を設置(2012~)
▲社内勉強会の様子(2019年撮影)

事例紹介:蒸気ボイラーの運用改善

埼玉事業所および滋賀事業所では、蒸気ボイラーによって作られた蒸気を各工場に送る配管経路に電動バルブを設置してスケジュール管理を実施しています。これにより、必要な個所に必要な量の蒸気を送る運用となり、余剰送気ロスをなくしたことで、ボイラー燃料(都市ガス)の削減に繋げています。併せて、劣化した蒸気配管保温材の再施工および配管フランジ部などの未保温箇所への保温ジャケット取付けによる放熱ロス削減についても進めておりボイラー燃料(都市ガス)使用量の削減に努めています。

事例紹介:高効率機器への更新

工場および事務所で使用する空調設備,生産工程で使用する蒸気ボイラーおよびコンプレッサー,受変電設備の変圧器などの機器を更新する際は、省エネ効果の高い高効率機器を選定。電気,都市ガスなどのエネルギー使用量の削減を進めています。
また、コンプレッサーの圧縮熱を回収し、ボイラーに供給する水の加温に利用する事で、ボイラーで使用する都市ガスの削減につなげるなど、より省エネルギー効果を得られる機器への更新も併せて進めています。

こうした活動の継続により、2022年度は2013年度に対してエネルギー使用量は18%の削減、CO2の排出量は78%の削減という結果になりました。

  • 原油換算エネルギー使用量
  • ‘15年に滋賀事業所が開所、加えて‘17年にも新工場が稼働を始めたため一時期エネルギーの使用量が増加しました。しかしその後は削減効果が現れ、‘22年度には全体で18%の削減。メイン製造拠点の本社(埼玉事業所)では40%以上の削減が行われています。
  • Scope2はマーケットベースでの算定
  • Scope1:ボイラーや社用車の燃料の燃焼等による直接排出
  • Scope2:電力の使用に伴う間接排出

22年度にScope2の排出量が大きく減少したのは、CO2フリー電力の導入が大きな要因となっています。
省エネに取り組んでいるものの、インキを生産する上で未だ多くの電力を必要としており、電力の使用に伴うCO2排出量削減のため、温室効果ガスを発生しない再生可能エネルギー価値を持つ電気メニューを選択いたしました。

  • CO2排出係数 0.000kg-CO2/kWh(調整後排出係数)

また、Scope1の多くを占める都市ガスの燃焼についても、当社では天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスをCO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)した、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなす都市ガスを導入しています。

カーボンニュートラルLNG(CNL)とは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、新興国等における環境保全プロジェクトにより創出されたCO2クレジットで相殺すること(カーボン・オフセット)により、地球規模では、この天然ガスを使用してもCO2が発生しないとみなされるLNGです。環境保全プロジェクトは、地球規模での温室効果ガス削減・排出抑制に加え、現地での雇用の創出や生物多様性の保護等、SDGsの目標にも関連しています。CNLの活用は、持続可能な社会の実現に貢献します。
"CNLとは より引用"

2022年度分供給証明書
本社

滋賀事業所

CNLバイヤーズアライアンスに加盟しています

2030年 2013年度比50%の温室効果ガス削減 を目指し
当社ではこれからも持続可能な社会づくりに貢献していきます。

資源の有効利用・廃棄物削減の取り組み

インキ原料の効率的利用に関しては、埼玉事業所・滋賀事業所では、顔料、樹脂、溶剤など多くの原料を使用し、インキ製品等、約21,500トンを生産しております。当社は、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」にも積極的に取り組み、インキを製造する過程においても資源の有効利用や3Rなど徹底し、ものづくりを行っています。これらの一環として、容器、包装材の削減(リンクドラムや通いコンテナの利用、包装材の簡素化等)や原料ロスの低減、プラスチックパレットはリユース、段ボールや事務所より排出される紙類はリサイクル、また、木パレやプラスチックドラムなどについても有価物化への転換を強く推し進めています。
このような取り組みにより、埼玉事業所・滋賀事業所はすべての廃棄物を再資源化しており、ゼロエミッションを達成しています。

【埼玉事業所】

【滋賀事業所】

臭気対策

埼玉事業所のインキ工場および、滋賀事業所のインキ工場と機能性樹脂工場においては臭気が発生することから年に2回の臭気測定を実施し、状況に応じて対策を講じています。使用原料の見直しをはじめ、活性炭フィルターや水に溶け込ませることによる除害設備・触媒燃焼式処理施設の設置、排気ダクトの向きの調整などにより、悪臭防止法の規準値をクリアしていますが、両事業所とも住宅街に隣接していることから、さらなる改善を進めていきます。

騒音対策

企業活動を行っていくうえで、近隣住民や作業者に対する騒音への配慮は取り組むべき活動であると自覚し、年に2回の騒音測定を実施し、状況に応じて生産設備への防音壁設置や、敷地内への植樹のほか、構内を走行するフォークリフトの運行ルールを定めるなど様々な対策を講じています。
埼玉事業所、滋賀事業所の測定結果は、良好な結果となっていますが、さらなる改善を進めていきます。

フロン類の管理

フロンは大気に放出されてしまうと、地球温暖化に大きな影響を及ぼす物質であり、フロン問題は世界規模で取り組み続けています。
これをうけ、2015年4月に「フロン排出抑制法(正式名:フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)」が施行され、当社でもフロン類を適正に管理するため、その取り組みが行われてきました。
また、フロン漏洩量の算定におきましても毎年度統計を行い、国への報告義務である1,000t-CO2に到達していないか監視も行っています。その結果、2022年度のフロン漏洩量は138t-CO2であったことをご報告いたします。

※フロン類とは、フルオロカーボン(フッ素と炭素の化合物)の総称であり、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及び ハイドロフルオロカーボン(HFC)をフロン排出抑制法ではフロン類と呼びます。

サステナビリティ

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